ヒートポンプの原理とは?種類や使用用途・動向について知ろう!

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ヒートポンプはエアコンや冷蔵庫、暖房機器など身のまわりにあるものに利用している技術です。
快適な生活を送るために必要なものでもあります。
ヒートポンプの原理は一体どうなっているのでしょうか。
そこで、ヒートポンプの原理や種類、使用用途、動向など詳しく説明していきたいと思います。
また、ヒートポンプは電験3種試験にも出てくる問題です。
電験3種の勉強をしている人やヒートポンプについて知りたい人は、ぜひ参考にしてください。

  1. ヒートポンプの原理
  2. ヒートポンプの種類
  3. ヒートポンプの使用用途と動向
  4. まとめ

1.ヒートポンプの原理

基本的に、ヒートポンプは熱媒体や半導体などを使用しています。
熱媒体・半導体によって低温部分から高温部分へと熱を移動しているのです。
では、ヒートポンプの原理について詳しく説明していきましょう。

1‐1.熱媒体の気化熱、凝縮熱を利用する

ヒートポンプの原理はさまざまな種類があります。
冷蔵庫や冷凍庫、エアコンに使用しているヒートポンプは、熱媒体の気化熱と凝縮熱を利用しているでしょう。
熱媒体となる気化熱を利用することで、空気・水・岩・土が持っている熱とやり取りができるようになっています。
ちなみに、熱媒体は用途にによって呼び方が変わるものです。
たとえば、冷却機器であれば「冷媒」、加熱機器なら「熱媒(ねつばい)」と呼びます。
また、熱媒体を使用しているヒートポンプは発熱現象と吸熱現象を一緒に利用している仕組みです。
周辺環境の中から吸熱した熱媒体を加圧します。
そして、温度を上げて屋外・室内の空気に対して発熱していくのです。
基本的に、熱媒体の「流体」を循環していることが多いでしょう。

1‐2.格子振動を利用する

「格子振動」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
格子振動とは、結晶中の原子が振動することです。
熱伝導の1つでヒートポンプの原理にもなっています。
主に、熱電素子の1つであるペルティエ素子や半導体を利用したヒートポンプに採用している原理です。
ペルティエ素子や半導体を利用しているヒートポンプ機器は、電流を発電素子に流すことで格子振動を起こしています。
自発ではなく、人工的に格子振動を生み出しているのです。
そして、格子振動によって熱移動ができるようになります。
私たちの身近なものとしては冷温庫、温度管理が必要な医療用機器に採用している原理ですね。

1‐3.気化熱と熱伝導の同時利用

熱の移動効率を上げるためにヒートパイプという仕組みを使います。
熱の移動効率を上げるだけでなく、温度が高いときは熱ダイオードとしての利用も可能です。
ヒートパイプの中にはパイプラインの溶解を防ぐために基礎部分に設置するタイプがあります。
基礎部分に設置するヒートパイプは高い熱伝導性を持つパイプの中に揮発性の液体をとじこめなければなりません。
そして、熱伝導+気化熱の働きによって高温部から低温部への熱移動が可能になるのです。
気化熱と熱伝導の同時利用によって動くヒートポンプもあります。
ちなみに、熱ダイオードとして利用する際は、一方通行の熱移動だけになるでしょう。

2.ヒートポンプの種類

2‐1.3つの項目によってわかれる種類

ヒートポンプにはさまざまな種類があります。
ヒートポンプの場合、動作原理・動力源・熱源の3点で分類できるでしょう。
たとえば、熱の輸送原理の違いによっては次のとおりにわけることができます。
まず1つ目は「発熱・吸熱現象を利用するタイプ」です。
冷媒・熱媒(ねつばい)を使用したとき発熱・吸収現象が起こります。
液体が気化するときの気化熱と液体に戻るときの凝縮熱を利用した蒸気圧縮ヒートポンプが代表になるでしょう。
発熱反応と吸熱反応を利用しているのは化学ヒートポンプです。
さらに、化学ヒートポンプは吸収式・吸着式・化学反応式などに細かくわけることができます。
そして、2つ目は磁気・熱音響冷却といった「ほかの発熱・吸熱現象を利用するタイプ」です。
「温度差を直接生み出すタイプ」では、ペルティエ素子などの半導体を利用しています。

2‐2.動力源と熱源・用途によるヒートポンプ

動作原理と同じく、大まかに分類できる種類には「動力源」と「熱源・用途」があります。
動力源は主に冷媒・熱媒(ねつばい)を移送するためのものになるでしょう。
動作原理とは違う分類になります。
たとえば、電気モーターが動力源になっている「電気ヒートポンプ」やガス燃料の「ガスヒートポンプ」、石油の「石油ヒートポンプ」などです。
そして、「熱源・用途」によっても種類がわかれるでしょう。
空気から熱を取りいれている「空気熱ヒートポンプ」は、エアコンなどに使用しています。
地中熱や湖・沼を熱源にしている「地中熱ヒートポンプ」は安定さが特徴的です。
空気熱よりも性能が高いと言われています。
ほかにも、太陽熱がヒートポンプの駆動力になっている「太陽熱ヒートポンプ」、「水熱源ヒートポンプパッケージ方式」など、種類はさまざまです。

3.ヒートポンプの使用用途と動向

3‐1.ヒートポンプの使用用途

私たちの生活空間にはヒートポンプの原理を活用したものがたくさんあります。
たとえば、エアコン・冷蔵庫・洗濯乾燥機・床暖房などです。
高い性能と省エネ効果が期待できるエコキュートにもヒートポンプの原理が採用されています。
ヒートポンプを利用することで、地中熱や大気熱などを移動し給湯・暖房に変換できるでしょう。
環境の中にある熱を利用するヒートポンプは、資源が少ない日本にとって必要不可欠な存在です。
また、熱効率が良く、大規模施設にも対応できるでしょう。
たとえば、医療施設や産業・農業、宿泊施設とオフィスビルなどです。
以上のように、ヒートポンプの使用用途は非常に幅広い特徴を持っています。
これから先、さらにヒートポンプの用途が広がるでしょう。

3‐2.ヒートポンプの動向

現在、日本においてヒートポンプの動向はどうなっているのでしょうか。
実際、ヒートポンプは近年大幅に向上してきました。
使用用途が広がって向上した背景には2つの要因があると言われています。
1つ目は「社会的要因」です。
日本では省エネルギー法によって「トップランナー規制」が浸透してきました。
トップランナー規制とはエネルギー消費性能などについての決まりごとです。
環境評価の判断材料にもなっています。
省エネルギーを保つためにはトップランナー規制による非―tポンプの利用が大切です。
そして、2つ目の要因は「日本の気候」になります。
日本は春・夏・秋・冬と四季によって冷房・暖房機器を調節していかなければなりません。
つまり、温暖湿潤な日本だからこそ、ヒートポンプの活用が重要です。

4.まとめ

ヒートポンプの原理や種類、使用用途と動向について説明しましたが、いかがでしたでしょうか。
周辺環境の中から熱移動を利用するのがヒートポンプです。
エアコン・冷蔵庫・暖房機器など私たちの生活にも採用している原理になります。
ヒートポンプの原理は主に「気化熱と凝縮熱の利用」「格子振動」「気化熱と熱伝導の利用」といった3つになるでしょう。
それぞれ特徴が異なるので、きちんと把握しておいてくださいね。
また、動作原理・動力源・熱源と3つの項目によってさまざまな種類にわけることができます。
上手にヒートポンプを利用するには、目的によって適した種類を選ばなければなりません。
以上の知識は、最低限身につけておいてください。