電気設備の小事典~電気工作物を扱う資格の業務範囲を完全解説!

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電気工事の仕事をするには、対応する電気系資格が必要です。しかし、電気系の資格にはいろいろな種類があり、一見しただけではどれを取得すれば良いのか分かりません。

そこで、こちらでは電気設備の種別を解説することにしました。もちろん、種別ごとに“工事をするには、どんな資格が必要なのか”まで記載しています。

  1. 電気設備って、そもそも何!?
  2. 電気工作物の種類を確認する!
  3. 電気工作物の保安・工事に関する規定とは?
  4. 電気設備に関する資格を詳しく知る!

こちらのページを読めば、“どんな電気設備を扱うのにどの資格が必要か”は一目瞭然になることでしょう。


1.電気設備って、そもそも何!?

電気設備というのは、非常に範囲の広い言葉です。基本的に、電気に関する機械や設備は、すべて広義の電気設備といえます。まずは言葉の定義を解説することにしましょう。

1-1.電気設備の定義は?

たとえば、発電機は当然、電気設備です。ですから、東京電力が保有する電子力発電所の発電機から、一般家庭の屋根に設置された太陽光発電のパネルまで、すべて電気設備と呼ばれます。ほかにも、水力発電に用いられるダムは、ダム全体が電気設備です。もちろん、変電所の設備も電気設備ですし、一般家庭にある配電盤も電気設備になります。

つまり、電気設備という言葉自体は、電気使用に関連するすべての施設・設備を指すわけです。ここまで話が大きくなると、電気系の資格に限った話題ではなくなってしまいますね。そこで、今回はもう1つの言葉を覚えてください。電気工作物という言葉です。

1-2.電気工作物ってどういう意味?

電気工作物は、電気設備より範囲の狭い言葉になります。電気工作物は以下の用途で用いられる設備を指す言葉です。

  • 発電(電気を発生させる)
  • 変電(電圧・周波数を変換、交流と直流の相互変換)
  • 送電(発電した電力を供給し、供給システムを運用する)
  • 配電(電力を要する家・事業所の受電設備に電力を配る)
  • 電気使用(実際に電力を活用する)

以上のような役割を帯びた設備が、電気工作物であることの条件です。設備の規模や形状は原則として問われません。機械であれ、大型のダムであれ、あるいは電線路であれ、すべて電気工作物です。

ただし、例外は存在していますので、以下に例外事項を列挙することにしましょう。

  • 電圧30ボルト未満の電気設備で、電圧30ボルト以上の設備と接続されていないもの
  • 車両や船舶、航空機といった乗り物に設置されている電気設備のうち、ほかの電気設備に電気を供給しないもの

以上の例外は、電気事業法という法律によって決められています。つまり、電気工作物は、電気設備のうち、電気事業法によって定められた設備を指す言葉なのです。

2.電気工作物の種類を確認する!

それでは、電気工作物の分類を確認してみましょう。電気工作物にはいくつかの種類があります。種類に応じて、工事・運用・保安を実施する際に必要な資格も変わってくるのです。

2-1.一般用電気工作物

一般用電気工作物は、一般家庭・小規模店舗などの電気設備を指す言葉です。より詳細なルールを説明すると、以下の基準にあてはまることが一般用電気工作物の条件になります。

  • 600ボルト以下の電圧で受電する設備であること
  • 構外に配電するための電線路を持たないこと
  • 小出力発電設備の場合、600ボルト以下の電圧で配電すること
  • 小出力発電設備の場合、構内に配電していること

ごく簡単にいえば、扱う電圧が600ボルト以内であり、施設内部で完結していることが条件になります。施設内部で完結というのは、電気を施設外に送ってはダメという意味です。当然、600ボルト以内の電気を外から受け取るのは構いません。

さて、一般用電気工作物には2つの種類がありますので、次は細分化した区分を確認してみましょう。

2-1-1.低圧需要設備

低圧需要設備は、600ボルト以内の電圧で受電する電気設備です。厳密にいうと、低圧というのは交流600ボルト以内、直流750ボルト以内を指します。ただ、日本で送電されているのは交流の電流です。ですので、特に但し書きがなければ、交流電源を想定して記載していると考えてください。

もちろん、施設外に送電・配電するものは低圧需要設備になりません。需要というのは、電気を必要として、受け取るだけの設備という意味合いになります。ただし、NGなのは施設外への送電・配電だけです。施設内で電気をやりとりする分には、配電しても構いません。

2-1-2.小出力発電設備

施設内に配電するだけの小電力発電設備ならば、一般用電気工作物に含まれます。小出力発電設備と扱われるための条件は、以下のとおりです。

  • 発電可能電力が50キロワット未満の太陽光発電設備
  • 発電可能電力が20キロワット未満の風力発電設備
  • 発電可能電力が20キロワット未満の水力発電設備のうち、ダムを有さず、使用水量が毎秒1立法メーター未満の設備
  • 発電可能電力が10キロワット未満の燃料電池による発電設備
  • 発電可能電力が10キロワット未満の内燃力発電設備
  • 上述の設備が複数、接続された発電設備のうち、合計の発電可能電力が50キロワット未満のもの

さすがに、内燃力発電や風力発電を一般家庭に設置する例は少ないでしょう。しかしながら、近年、太陽光パネルを設置する家庭は増えてきました。家庭用太陽光パネルのように、外部に配電しない発電設備は一般用電気工作物に含まれるわけです。

2-2.事業用電気工作物

事業用電気工作物は、一般に事業に用いられている電気設備を指す言葉です。ただ、電気事業法による厳密な規定では、〝一般用電気工作物以外の電気工作物〟とだけ定義されています。

ただ、事業用電気工作物にも2つの区分が存在しているので、細分化された2区分を確認してみましょう。

2-2-1.電気事業の用に供する電気工作物

電気事業というのは、発電・変電・送電といった事業です。つまり、電力会社が行っている事業に相当します。電気事業用の電気工作物は、電力会社が運営する発電所や変電所、送電設備などです。

ただし、電力会社が保有する設備のうち、福利厚生施設、施設研究・開発施設は除外されます。いくら電力会社の設備といえども、社宅や研究所は電気事業用電気工作物には含まれません。裏を返せば、発送電・変電に関連している限りにおいて、電力会社の保有設備はすべてが電気事業用電気工作物です。

2-2-2.自家用電気工作物

自家用電気工作物は、電気事業以外の事業所で用いられている電気工作物です。もちろん、一般用電気工作物にあてはまらない設備であることが条件になります。それでは、自家用電気工作物のカテゴリーに入るための主な条件を確認してみましょう。

  • 高圧・特別高圧の電圧で受電する電気設備
  • 小出力発電設備を除く発電用の電気工作物
  • 施設外の電気設備に対し、受電用電線路以外の電線路で接続されている設備
  • 事故のリスクが高い爆発性・引火性物質が存在する施設内の電気工作物

日本では、電力会社から高圧の電気を受ける場合、3,300ボルトまたは6,600ボルトで契約するのが一般的です。そのため、高圧の電気を受けている機器は自家用電気工作物に該当することになります。

ただ、簡単にいうならば、一般用電気工作物と比べて取り扱いに注意を要する電気工作物が自家用電気工作物ということです。

3.電気工作物の保安・工事に関する規定とは?

電気工作物の工事を行ったり、保安確保をしたりするには、一定の資格が必要になります。こちらでは、電気工作物の工事・維持・保安に関する規定を確認することにしましょう。

3-1.一般用電気工作物の保安確保義務について

一般用電気工作物の保安確保、要するに、安全管理の義務は所有者または占有者にあります。簡単にいえば、電気設備の持ち主が安全管理をしなければいけません。

とはいえ、一般用電気工作物はどこの家庭にも存在します。そもそも、ほとんどの家庭が、30ボルト以上600ボルト以下の電気を受電しているはずです。そう、誰でも100ボルトの電気を使っているでしょう。しかしながら、実際問題、ごく普通の民間人に保安義務を課したところで、電気に関する専門知識を持っているわけがありません。

そこで、電力供給を行っている事業者が、適切な環境に保たれているかどうか調査する義務を負うことになっています。要するに、電力会社が適切な業者に委託し、電気設備技術基準に適合しているかどうかを検査するわけです。一般家庭の配電盤などは、定期的に検査が行われ、問題がある場合には通知が行くようになっています。

3-2.一般用電気工作物の工事について

一般用電気工作物の工事を実施するためには、第二種電気工事士の資格が必要になります。第一種電気工事士は第二種の上位資格ですから、第二種の業務を実施可能です。そのため、より分かりやすくいえば、第一種・第二種両方の電気工事士が一般用電気工作物の工事を実施可能ということになります。

3-3.事業用電気工作物の保安確保義務および工事について

事業用電気工作物の保安確保義務は、電気工作物の使用者にあります。具体的には以下の3点を実施しなければなりません。

  • 維持管理および施術基準への適合維持
  • 保安規定を制定し、管轄の産業保安監督部に届け出
  • 電気主任技術者を選任し、管轄の産業保安監督部に届け出

維持管理や保安規定の制定は、あくまでも一般的な手続きに過ぎません。しかし、電気主任技術者の選任は非常に重要です。電気主任技術者国家試験に合格した資格者を選任し、事業用電気工作物の保安監督を任せなければなりません。もちろん、電気主任技術者の資格者は、事業者の内部に雇用する必要があります。つまり、国家資格を持った人材を事業者サイドが用意する必要があるのです。

事業用電気工作物の場合、保安確保にしても、工事を行うにしても、電気主任技術者の資格が必要になります。

3-4.事業用電気工作物の保安管理は外注が可能!?

ただし、すべての事業所が自前で電気主任技術者を用意できるとは限りません。そのため、事業用電気工作物の保安管理に関しては、外部委託することも認められています。

以下の基準を満たしている場合に限り、産業保安監督部長の外部委託承認を受ければ保安管理を外注可能です。

  • 600ボルト以下の配電線路だけを管理している
  • 出力1,000キロワット未満の発電所である
  • 7,000ボルト以下の電圧で受電する需要設備である

以上の条件に適合していれば、事業所外部の電気管理技術者または電気保安法人に保安管理を委託することができます。外部委託承認を受ければ、事業所内で電気主任技術者を手配する必要はありません。ただし、出力1,000キロワット未満の発電所でも、原子力発電所の場合、保安管理を外注することは不可能です。

4.電気設備に関する資格を詳しく知る!

電気工作物の保安管理・工事に資格が必要であることは、上述したとおりです。そこで、ここからは電気工作物に関連する資格について解説したいと思います。各資格の特徴、業務範囲をまとめ、“どの資格があれば、何ができるのか”をまとめることにしましょう。

4-1.電気技術主任者の国家資格とは?

電気技術主任者は、事業用電気工作物の維持・管理・保安監督および工事に携わる責任者です。第一種から第三種に分かれており、それぞれ電験一種、電験二種、電験三種と略称で呼ばれることが多くなっています。

4-1-1.電気技術主任者の業務範囲

電気技術主任者は、事業所の選任を受けて、事業用電気工作物の保安管理業務を行うことができます。また、事業用電気工作物の工事をすることも可能です。第一種から第三種までの区分については、以下にまとめます。

  • 第三種電気主任技術者:5万ボルト未満の事業用電気工作物の保安管理・工事が可能
  • 第二種電気主任技術者:17万ボルト未満の事業用電気工作物の保安管理・工事が可能
  • 第一種電気主任技術者:すべての事業用電気工作物の保管管理・工事が可能

ただし、例外規定がいくつかあります。

たとえば、火力発電・原子力発電・燃料電離の改質器のうち、最高使用圧力98キロパスカル以上のものは電気主任技術者の守備範囲外です。ボイラー・タービン主任技術者が保安管理を行います。さらに、ダムなどの水力発電設備は、ダム水路主任技術者の業務範囲です。

4-1-2.電気技術主任者国家試験

電気技術主任者になるためには、国家試験に合格しなければなりません。受験資格に制限はなく、誰でも受験することが可能です。ここでは、電気技術者国家試験の詳細を確認してみましょう。

4-1-2-1.電気技術主任者国家試験の試験科目

第一種、第二種の試験は1次試験と2次試験の2段階選抜、第三種の試験は1次試験だけで合否を決定する方式です。それぞれの試験科目は次のようになっています。

  • 第一種・第二種の1次試験:理論・電力・機械・法規の4科目(多肢選択)
  • 第一種・第二種の2次試験:電力管理・機械制御の2科目(記述式)
  • 第三種の国家試験:理論・電力・機械・法規の4科目(五肢択一)

第一種と第二種の1次試験はマークシート形式の多肢選択です。たくさんの選択肢から複数回答する方法なので、正確な理解が必要になります。“うろ覚えで半ば感覚頼り”という状態では太刀打ちできません。

第三種の試験はマークシート形式の五肢択一なので、5つの選択肢からいずれか1つを回答する形式です。だいたい覚えていれば、なんとか正解にたどり着けるでしょう。

4-1-2-2.電気技術主任者国家試験の試験概要

さて、ほかにも電気技術主任者国家試験の概要を確認してみましょう。特に気になるのは合格率です。

2001年以降、第三種の合格率は5.5〜12.1%の範囲内で推移しています。平均すると7%前後です。次に第二種ですが、合格率は1.8〜8.5%で推移しており、平均は4%程度になります。最後の第一種になると、合格率は1.5〜8.9%で推移していて、平均値は3%を割り込むほどの難関です。

いずれも、当たり前のように一桁台の合格率をたたきだしていることになります。ただ、過度に心配する必要はありません。受験資格が無制限の資格試験は、基本的に合格率が低くなります。誰でも受験できるので、ほとんど勉強していないような受験者も含まれているのです。きちんと対策している受験者なら、もう少し高い確率で合格しています。

4-2.電気工事士の国家資格とは?

電気工事士は、一般用電気工作物・自家用電気工作物の工事を行うための資格です。住宅のほか、教育機関、医療機関、中小店舗、事務所など、さまざまな場所で電気設備の工事に携わります。

4-2-1.電気工事士の業務範囲

電気工事士の資格は第一種、第二種に分かれているため、それぞれの業務範囲をまとめましょう。第一種と第二種それぞれの業務は、以下のように定められています。

  • 第二種電気工事士:一般用電気工作物の工事に従事可能
  • 第一種電気工事士:一般用電気工作物に加え、500キロワット未満の自家用電気工作物の工事に従事可能

ただし、500キロワット未満だとしても、ネオン設備と非常用予備発電装置は電気工事士の職域から外れます。ネオン設備や非常用予備発電装置の工事には特種電気工事資格者の資格が必要です。

4-2-2.電気工事士国家試験

電気工事士になるためには、国家試験に合格する必要があります。第二種電気工事士養成施設を修了するなど別の資格取得方法もありますが、試験に合格するのが最も一般的な取得方法です。受験資格に制限はありません。

4-2-2-1.電気工事士国家試験の試験科目

電気工事士国家試験の試験は、学科試験と技能試験による2段階選抜です。それぞれの試験科目を確認してみましょう。

  • 学科試験:一般問題30問と配線図問題20問の計50問(四肢択一式)
  • 技能試験:与えられた配線図どおりに配線・器具などを設置する

第一種、第二種ともに試験方式は変わりません。四肢択一式の学科試験はマークシート方式が採用されています。また、技能試験において電動工具の使用は認められません。手動工具で作業をする必要があります。

4-2-2-2.電気工事士国家試験の試験概要

やはり、気になるのは合格率です。まず、第二種電気工事士の合格率は30〜40%程度を推移しています。次に、第一種電気工事士の合格率は20〜25%程度での推移です。いずれも、電気技術主任者の試験に比べると高い合格率になっています。

やはり、事業用電気工作物を専門とする電気技術主任者よりは、難易度の低い資格と考えて良いでしょう。

まとめ

以上、電気設備の基礎知識と、関連資格の取得方法でした。

電気設備といっても、一般家庭にある設備、事業用の設備など、さまざまな種類があるのです。設備の種類ごとに、保安管理、工事に必要な資格も異なってきます。電気系の資格を取得するなら、“自分はどんな電気設備に携わりたいのか”を明確に見定めなければなりません。

電気設備の維持管理・工事を仕事にしたいなら、ぜひ、国家資格の取得を目指してみてください!

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