分散型電源はどんなもの?メリット・デメリットと共にご紹介します。

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分散型電源というのは、電力供給する方法の一種です。
最近、屋上や屋根に太陽光発電システムを備えている家やビルが増えてきました。
これも分散型電源の一種です。そこで、今回は分散型電源のメリット・デメリットをご紹介しましょう。
自宅や会社で発電ができるというのは、大変心強いものです。
しかし、その一方で気をつけなければならないこともあります。
自宅や会社に発電設備がある方や電気主任技術者を目指している方は、ぜひこの記事を読んでみてくださいね。

  1. 分散型電源とは?
  2. 分散型電源の種類とは?
  3. 分散型電源のメリット・デメリットとは?
  4. おわりに

1.分散型電源とは?

分散型電源とは、電力供給の方法のひとつです。
小規模な電力発電装置を消費地の近くに設置して電力の供給を行います。
太陽光発電や風力発電などがその代表例です。
また、燃料電池やガスタービンなどを利用したコジェネレーションシステムも、分散型電源の一種になります。
特に、コジェネレーションシステムは発電の際に出た排熱を暖房や給湯に利用できるということで、注目が集まっているのです。
かつて小規模発電といえば、灯油やガソリンを原料とした小型発電機くらいしかありませんでした。
しかし、技術の進歩によって分散型電源の種類も増えたのです。
では、分散型電源にはどのような種類があるのでしょうか?
次の項で詳しくご説明しましょう。

2.分散型電源の種類とは?

では、分散型電源にはどのような種類があるのでしょうか?
この項では、その代表的なものをご紹介します。
どのご家庭にもあるアレも分散型電源の一種なのです。

2-1.蓄電池

蓄電池とは、バッテリーのことです。
充電と放電をくりかえすことができ、電源がなくても電化製品を動かすことができます。
小型バッテリーは携帯電話に使われていますので、私たちにとってもおなじみですね。
分散型電源としてのバッテリーの仕組みも携帯電話に使われているものと変わりありません。
非常時のときのために電源を蓄えておき、災害が起きて電力供給が途絶えたときに、非常用電源として使われます。

2-2.自然エネルギーを利用した発電機

太陽光発電システムや、風力発電など自然エネルギーを利用した発電システムは、ここ数年の間で一気に数が増えました。
ガスや石油などの燃料を必要としないので、環境にも優しく、一般家庭でも発電が行えます。
また、余った電力の売電も行えますので、電気代がかなり安くなったというご家庭や施設もあるでしょう。
ただし、現在のところ24時間365日、すべての電力を太陽光発電や風力発電で賄うことはできません。

2-3.コジェネレーションシステム

エンジンやタービン、さらに燃料電池などによって発電を行い、電力を蓄えつつ排熱を給湯や暖房などに使うシステムです。
家庭用のコジェネレーションシステムは「エネファーム」という名前で、商品化されています。
発電をしつつ排熱も利用できるので、非常に効率のよいシステムです。

2-4.廃棄物発電

廃棄物を燃やすことによって得られたエネルギーでお湯を沸かし、その蒸気でタービンを回すことにより、発電をするシステムです。
仕組み自体は火力発電所と一緒ですが、石油や天然ガスをエネルギー源にしたものよりもコンパクトな施設で発電ができます。
ゴミ焼却場に発電システムがくっついたもの、といえばイメージもしやすいでしょう。

3.分散型電源のメリット・デメリットとは?

では、分散型電源のメリット・デメリットとはなんでしょうか?
この項では、その一例をご紹介します。
これを理解しておけば、分散型電源を導入する際の参考になるでしょう。

3-1.分散型電源のメリット

分散型電源は、電力を消費する場所の近くで発電ができます。
ですから、送電する際のロスがありません。
また、変電所から新しく電線をひく手間もありませんから、電線をひきにくい離島などでは、メリットが大きいでしょう。
また、分散型電源で消費電力の一部を賄うことができれば、電気代の削減も可能です。
さらに、分散型電源があれば災害時に電力の供給が途絶えても、自力である程度の発電が可能になります。
発電所は、水をたくさん使うので、海のそばに建てられることが多いのです。
そのため、津波などの被害も受けやすいでしょう。
災害で発電所が被害を受けてしまうと、長い間電力が供給できないといった事態も十分に考えられます。
しかし、分散型電源があれば、そんなときでも電力を確保できるでしょう。
ですから、病院や自治体の施設など、非常時でも電源を確保しなければならない施設には、分散型電源を備えているところが多いのです。

3-2.分散型電源のデメリットとは?

分散型電源は、導入費がかかります。
たとえば、家庭用のコジェネレーションシステムであるエネファームは、一般的な給湯器に比べると10万円近く高い商品もあるのです。
最近では、補助金を出してくれる自治体もありますが、それでも誰でも気軽に導入できるというわけにはいきません。
また、築年数がたった施設や家などでは分散型電源をそもそも導入できないというところもあるでしょう。
さらに、分散型電源は集中型電源(発電所による発電)に比べると、電力を安定して供給できません。
特に、太陽光発電や風力発電などは気候によって発電量が大幅に変わってくるでしょう。
今の電化製品は電力を安定して供給し続けなければ、正常に動かなかったり壊れてしまったりします。
ですから、通常の使う電力をすべて分散型電源にすることは、まだできません。
さらに、分散型電源の管理のための人でも必要です。
電気設備の保守や管理は、電気主任技術者という資格所有者が行わなければなりません。
また、家庭用の分散型システムの維持管理は通常、その家に住んでいる方が行いますが、不具合が起きた場合は自分で修理することはできないのです。
分散型電源が増えるほど、維持管理に手間がかかります。
かといって、維持管理を怠るといざというときに使えないかもしれません。
さらに、事故が起きたときの被害も深刻です。
分散型電源は、人口が多い場所に、小型の発電所があうようなもの。
事故が起きた場合は、たくさんの犠牲者が出る可能性もあります。
また、一見すると安全性が高いように見える風力発電や太陽光発電のシステムも、強風などで倒れれば大変な被害が出るのです。
ですから、災害にあうことを考えて、より安全性の高い場所に分散型電源を設置する必要があるでしょう。
ただし、そのような場所は限られているのが現状です。

4.おわりに

いかがでしたか?
今回は分散型電源のメリット・デメリットをご紹介しました。
2011年の東日本大震災以降、分散型電源の必要性や重要性が改めて認識され、需要も高まってきたのです。
特に、太陽光発電や風力発電は一般の家庭でも行えるので、ソーラーシステムなどを搭載した家も増えてきました。
しかし、分散型電源はただ設置するだけで安心、というわけにはいきません。
日々の保守点検が大切です。
特に、コジェネレーションシステムや廃棄物発電などは、システムが複雑なため、より管理も重要になります。
ですから、ただ単に「電気代が安くなる」とか「環境に優しいから」などの理由で、分散型電源の導入を決めると、保守点検費用の方が高くなり、ろくに発電もできないということになる可能性もあるでしょう。
また、蓄電池などの非常用の電源も定期的な点検が必要です。
ですから、導入の際はメンテナンスにかかる費用まで考えて検討をしてください。