電験3種の試験科目にはどんなものがある? 効率的な勉強法はコレ!

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第3種電気主任技術者(通称・電験3種)は、受験資格が定められておらず、誰でもチャレンジできる電気関係の資格です。取得すれば事業用電気工作物の保安監督業務を行うことができ、有資格者を求めている職場もたくさんあります。実用性が高い人気の資格であり、毎年多くの方が取得を目指す資格としても有名です。その一方で試験は年々難化傾向にあり、合格率は10%を切る年も珍しくなくなりました。

そこで、今回は電験3種の勉強法についてご紹介します。

  1. 電気主任技術者の基礎知識
  2. 電験3種の試験内容や難易度について
  3. 電験3種の科目別勉強方法など
  4. 電験3種の試験に対するよくある質問

この記事を読めば、科目ごとの勉強方法についてもよく分かることでしょう。電験3種の試験に挑戦したいという方は、ぜひ読んでみてくださいね。


1.電気主任技術者の基礎知識

はじめに、電気主任技術者とはどのような資格かということを解説します。どのような場所で働くために必要な資格なのでしょうか?

1-1.電気主任技術者について

電気主任技術者とは、工場や発電所・変電所・オフィスビル・商業施設などに設置されている、高電圧の受電設備や配線等の事業用電気工作物の保安監督業務を行うことができる資格です。
このような事業用電気工作物は定期的な自主保安が法律によって義務付けられており、職場によっては電気主任技術者の選任が義務づけられています。
事業用電気工作物を設置している施設は日本中にたくさんあるため、電気主任技術者の需要も高いのです。資格を取得していれば、未経験でもかまわないと求人を行っている事業所もあります。

1-2.電気主任技術者の種類について

電気主任技術者には、第1種から第3種まで3つの種類があります。第1種はすべての事業用電気工作物の保安監督業務を行うことができ、取得するには大学の工学部電気科を修了した程度の知識が必要です。
第2種は、電圧が17万V未満の事業用電気工作物の保安監督業務を行うことができ、取得するには電気関係の専門学校や高専を修了した程度の知識が必要になります。
第3種は、電圧が5万V未満の事業用電気工作物の保安監督業務を行うことができ、取得するには工業高校の電機科を修了した程度の知識が必要です。

前述したように電気主任技術者の受験資格は定められていませんが、全く知識のない状態から勉強を始め、いきなり第1種や第2種に挑戦するのは無理があります。電気の専門的な勉強を行ってきた人以外は、まず第3種から取得を目指しましょう。

1-3.電気主任技術者の仕事や求人について

電気主任技術者の仕事は、事業用電気工作物を設置してある施設などに直接雇用されるか、電気工作物の保安監督業務を請け負っている会社に入社して行います。電験3種を取得している場合は、保安監督業務を請け負っている会社に入社する方が多いでしょう。5年以上実務経験を積めば、独立も可能です。
この他、ビルメン(ビルメンテナンス業務)を行っている会社でも、有資格者を求めています。ビルメン業界に就職したいという方は電験3種を取得すれば、とても有利です。

2.電験3種の試験内容や難易度について

電験3種の試験は、電気技術試験センターが主催しています。平成29年度の試験日は9月2日です。毎年この時期に行われますので、来年度以降試験にチャレンジしたい方は、8月下旬までに試験勉強を終えられるようにしておきましょう。
試験科目は、電気・機械・理論・法規の4科目です。電気主任技術者の試験は科目の合格を3年間持ち越すことができるため、3年かけて合格する方も珍しくありません。
試験は、1科目60%以上の得点で合格できます。合格率は毎年10%~20%台を推移してきましたが、近年では受験者が増えたせいなのか、合格率が数%の年も出てきました。試験の難易度が高く、平均点が低い場合は50%台の得点で合格になる年もあります。

受験の申し込みは、センターのホームページで可能です。

3.電験3種の科目別勉強方法など

この項では、試験の科目別の特徴や勉強方法などをご紹介します。ぜひ参考にしてください

3-1.4科目の共通点

電験3種の試験問題は、計算問題が多くの割合を占めます。そのため、過去問と似たような問題が出されることはほとんどなく、「公式を覚えるのではなく体にしみこませてから試験にのぞめ」とも言われているのです。試験会場に電卓を持ちこむことが許されていますが、関数電卓は持ちこめません。

3-2.科目別の難易度

電験3種の試験は、科目ごとに難易度が異なり、法規・機械・理論・電力の順で難しいと言われています。かつては機械の方が難易度が高かったのですが、ここ数年は法規の方が難しくなりました。

電力は、発電関係や送電関係を中心に問われる科目です。ひねった問題が出されることはまれで、計算問題も基本的な問題が出されることが多いでしょう。過去問と類似している問題もよく出されるので、初めてでも合格しやすい科目です。

理論は、電磁気や電気回路に関する問題が出題されます。問題の80%が計算問題ですので、暗記が苦手な方にとっては合格しやすい科目でしょう。計算間違いをしないように気をつけることが大切です。

機械は、範囲が広くフローチャートやプログラミング関係の問題が出ることもあります。機械が合格できずに資格取得ができないという方も珍しくありません。計算問題と暗記が必要な問題の両方がバランスよく出題されますので、念入りに勉強しておきましょう。

法規は、電気に関する法律の知識が問われる科目です。しかし、計算問題も出題されます。ひねった問題ばかりが出される年もあり、合格率が低い年は法規が難問だった可能性が高いでしょう。出題範囲が広いのでヤマカンをかける方もいますが、外れると悲惨なことになります。また、法規は問題数が少ない分1問あたりの配点が高く、1問のミスが命取りになることもあるでしょう。

3-3.勉強方法について

電験3種は、3年間で4科目を取得すれば合格できます。そのため、最初は取得しやすい科目に的を絞って勉強し、難関科目を後に回そうとする方もいるでしょう。しかし、これはお勧めできません。せっかく1部の科目を合格したのに、最後まで難関科目が合格できないと、3年間の努力がむだになります。ですから、科目をしぼって勉強するならば、最初に法規や機械といった難科目にチャレンジしてください。この2つが合格できれば、残りの2つも同じ調子で勉強できれば合格する可能性は高いでしょう。

3-4.知識がない状態からの勉強方法について

中学や高校の物理で電気を学んだ程度、という方にとっては電験3種の勉強は大変です。まず、参考書に書かれていることが理解できない人も多いと思います。電験の試験は、「訳が分からないけれど、参考書を丸暗記すれば合格できる」というものではありません。公式を理解し、応用する力が必要です。電気主任技術者試験の参考書を読んでもさっぱりわからないという方は、電気数学の勉強から始めましょう。試験に必要な電気数学の参考書も出ています。

また、第二種電気工事士の試験にチャレンジし、無事に取得できたら改めて電気主任技術者の試験に挑戦してもよいでしょう。電気工事士の試験は電気主任技術者よりも難易度は低いのですが、合格に必要な知識などは共通しています。第二種電気工事士の資格を取得できれば、電気主任技術者の参考書を読んでもまったく意味が分からないということにはならないでしょう。

3-5.独学と通信教材の違い

電験3種の資格取得をサポートしてくれる予備校のような場所は、ごくわずかです。そのため、勉強は独学か通信教材を使うのが一般的でしょう。独学で勉強する場合は、書店やネットショップで参考書や過去問題集を購入して勉強してください。4科目が1冊になった参考書よりも、4科目それぞれの参考書の方が内容は詳しいでしょう。電気書院刊行の「これだけシリーズ」などが定番の参考書ですが、自分に合ったものを使えば大丈夫です。

通信教材は市販の参考書よりも値段が高い分、参考書の作りが丁寧で知識が乏しい方でも理解しやすい内容になっています。SATの教材はブック式の参考書の他、専門講師が行った講義を収録したDVDやeラーニングもついてきますので、予備校に通っているような感覚で勉強することも可能です。

電気関係の知識が豊富ですでに合格した科目があるという方は独学でも問題ありませんが、初めて試験にチャレンジする方や、電気関係の知識が乏しい方は、通信教材を利用してみましょう。

4.電験3種の試験に対するよくある質問

Q.電験3種の試験で科目を絞って受験した場合、受験をしない科目を作っても大丈夫ですか?
A.試験会場には必ず入らなければなりませんが、退出時間になったら白紙で退出しても問題はありません。

Q.どのくらい勉強すれば合格できるのでしょうか?
A.合格した方は平均で半年以上勉強をして試験にのぞんでいます。

Q.スマートフォンアプリの電卓でも持ちこめるのでしょうか?
A.不可能です。

Q.試験はどのような場所で行われますか?
A.大学や専門学校の教室を借りて行われることが多いでしょう。

Q.第3種と第2種を同時に受験することは可能ですか?
A.可能ですが、受けるメリットがあまりありません。

5.おわりに

いかがでしたか? 今回は、電験3種の科目別の特徴や勉強方法などをご紹介しました。電験3種は何度受けても合格できない人も珍しくない試験です。その分、高い需要がありますので、勉強方法を工夫して試験にのぞみましょう。最初は機械と法規に的を絞って勉強し、取得を目指してもよいでしょう。もちろん、4科目まんべんなく勉強してもかまいません。知識がある方も、計算ミスで不合格になることもありますので、計算問題の練習も大切です。全く知識がない状態から試験にのぞむ場合は、1年近く勉強をしてから試験にのぞんでください。